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“真壁造り”と”大壁造り” それぞれのメリットとデメリット

前回、真壁造りと大壁造りの違いをお伝えしましたが、

今回はそれぞれの工法のメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。

まず、真壁造りのメリットとしては

木が持つ性能を活かすことができたり、構造材のトラブルが視認できるということが挙げられます。

一般的に、柱などの圧縮力がかかる部材にはスギやヒノキなどの針葉樹を使うことが多いのですが、特にヒノキの柱を使用した場合、調湿効果としては柱一本でコップ10杯分程度の水分を吸ったり吐いたりできる容量を持っています。

また、木材の中に含まれるヒノキチオールという成分が人間にリラックス効果をもたらしたり、フィトンチッドと呼ばれる成分には抗菌作用があったりと、様々な効果が期待できます。

そして真壁造りは壁を塞がない分、これらの恩恵を充分に受けることができます。

逆にデメリットとしては、真壁造りの場合は工期が遅いことや、構造材の割れが視認できてしまうという点が挙げられます。

壁の下地となるボードを貼る際、大壁造りの場合は製品のままの寸法を切らずに貼り進められますが、真壁造りは柱と柱の間の寸法に合わせて、ボードを加工しなければなりません

(前回お伝えした塗り壁の場合はさらに時間がかかります)。

構造材が視認できることはメリットでもありデメリットでもある点ですが、木材は必ず割れるという性質上、大壁造りでこれを見ないようにして気にしないか、真壁造りでトラブルが視認できる場合は早期対策をするかという考え方で変わってきます。

(多くの場合、木材の割れは強度には影響を及ぼさないどころか、キレイに割れる材木ほど芯が通って強い証拠という研究結果もあります)

また、特に古いお家の水回りでは壁をめくると中の柱、土台が腐っていることが多いのですが、これらについても視認できれば早めの対策も可能となります。

大壁造りのメリットの多くは真壁造りの逆であることがおおいのですが、上に挙げたものの他には“壁をスッキリと見せられる”という効果があります。

家具や設備の納まりも壁にピッタリつく形となりますので(正確には“巾木”という床と壁の取り合いの材料によって少し隙間はあきますが)、こういった点を重視される方は大壁造りをお勧めいたします。

他にも工法によるメリット・デメリットはいくつかあるのですが、すべて書ききるとかなりの長文となってしまいます(汗)

新築、リフォームのお客様と初めてお会いするときにまた詳しくお話することとして、今回はこれぐらいにしておきます。

長々と読んでいただいた方、ありがとうございました。

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