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床の張り替えと増張りの違い(リフォーム)

今日は表題の通り、「床の張り替えと増張りの違い」についてご説明できればと思います。

似たようでかなり違うこの2つの工事。

お客様に説明したつもりが、実際の施工の時に「あれ?そのまま張るの?」なんて聞かれることもあります。

それぞれの作業について詳しくお伝えします。

床の張り替え(&床組み)

 床の張り“替え”が必要な時とは、既存の床レベル(地球の重力に対して水平度合)に著しい違いがある際や、床を支えている木材の劣化が明らかなときです。

もちろん長年住まいされたお宅では地盤沈下や材料の痩せなどの影響により必ず数ミリ程度のレベル差はありますし、住まわれている方は慣れているので勾配に気づかずに過ごされている方がほとんどです。

日本の法律上でも、住宅の品質確保の促進等に関する法律(=品確法)では、1mで3mm未満のレベル差を許容しています。

しかし、大きいものになると例えば一つの部屋の角と角で数センチ高さが違うなんてことがあります。一昔前に話題になった“欠陥住宅”の判定をするために、床に置いたビー玉が転がるかどうか?というTVは見たことがある方も多いかもしれません。

ビー玉が転がる勾配というのは大体6/1000以上ですので、八畳間の角々であれば21mm以上のレベル差でビー玉が転がりますし、スピードが速い場合ほどレベル差は大きいでしょう。

これらが許容できない範囲であった場合は、改めて重力に対して水平な床下地を組みなおし、新しい床を張ります。(ちなみに当社では施工精度を0.5mm単位で突き詰めます)

床のレベル差が許容範囲内であっても、床を支えている木材が腐っていたりシロアリの被害を受けている場合なども、同様に床組みを新しくしたうえで新しい床を張ります。

〇増張り

 床の増張りとは、既存の床板の上に新しい床板を重ね張りする工事を指します。

「そのまま?」と思われる方も多いようですが、実はメリットが多いのです。

30年以前家づくりでは、“根太”と呼ばれる床を支える木材の上に直接フローリングを張っていました。そのころのフローリングは12mm厚が主流でしたので、根太がないところでは12mmの板の上を歩いていたわけですが、長年その上を歩いていると徐々に12mmの床板が撓み、凹んでくるというわけです。

また、フローリングの隙間からの吹込みも防ぎきれていませんでした。

現在はこれらを解消するために、フローリングの下に必ず「捨て貼り」と呼ばれる合板を張る工法が主流となっています。12mmのフローリングの下に12mmの合板が敷いてありますから、合計24mm厚の床となります。上を歩いた時のシッカリ感が全然違います。

吹込みが通る隙間もなくなるのでいいことずくめです。

増張りは、既存の床をそのまま捨て貼りとして考えます。2重の厚みで床をしっかりと支えられますし、接合部分を意図的にずらすことで吹込みも防ぐことができるのです。

なおかつ、既存床撤去のための解体費用や床組みの材料・工事費もなくなりますので、構造的にも予算的にもメリットが多いのです。

実は、リフォームで「床を新しくしてほしい」というご依頼を受けた際、圧倒的に増張りをご提案することが多いのも、こういった理由からです。

もちろん増張りで対応可能であってもお客様から新規床組みをご依頼されれば即対応しております。

如何でしたでしょうか?

書き始めると「あれもこれも」と止まらず、冗長的な文になってしまいがちですが、読んでいただけた方に少しでもご理解いただけていると嬉しいです。

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